事故直後の問題
頭部に傷害を負うような重度の交通事故や労働災害等に遭った場合には、被害者のご家族は、被害者の生命・身体を案じ、被害者の回復に尽力します。
今後の補償については後回しで、考える余裕のないというのは当然の心理でしょう。
加害者の損害賠償請求の手続きについて考えることを煩わしくすら感じる方もいらっしゃいます。
しかし、事故直後においても、事故当時の意識障害の程度・時間を明らかにし、画像診断をしておくこと等、後々の補償のために重要な点があります。
事故状況についても、警察の捜査記録が加害者の言い分のみで作成されることが多いですから、どのような事故状況だったのか、正しく記録されているのかということは、早い段階で目を向けておく必要があります。
被害者の方は、意識回復後、障害のため事故について思い出せない、上手く話すことができないといった状況になることも多いので、事故状況の確認を後回しにすればするほど、実際の事故状況を把握することが難しくなってきます。
事故状況の全容が掴めず、過失割合が問題となる可能性がある場合には、健康保険を利用した方が被害者に有利となる可能性が高いので、事故早々「健康保険を使ってほしい」というような打診に憤りを覚えたとしても、健康保険を利用することをお薦め致します。