高次脳機能障害の等級認定のしくみ④
意識障害について
脳外傷による高次脳機能障害の症状を医学的に判断するためには、意識障害の有無とその程度・長さの把握が重要と考えられています。
すなわち、意識障害の程度が重く、かつ、長時間持続すればするほど、重度の高次脳機能障害が残りやすいと考えられています。
脳外傷直後の意識障害がおよそ6時間以上継続するケースでは、永続的な高次脳機能障害が残ることが多いと考えられています。
自賠責保険においては、受傷直後の意識障害が以下の基準を満たす場合には、全件高次脳機能障害の認定審査を行うこととされています(あくまで、審査に乗せる基準であり、認定を受けるための基準ではありません)。
- 当初の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態:JCSが3~2桁、GCSが12点以下)が少なくとも6時間以上もしくは、
- 健忘あるいは軽度意識障害(JCSが1桁、GCSが13~14点)が少なくとも1週間以上続いていることが確認できる症例
ところで、受傷直後の意識障害の有無とその程度・長さを確認するためには、救急搬送時の医療記録を確認することになりますが、これが正確に記録されているかどうかをまず確認しておくことが必要です。
場合によっては、救急搬送時の救急隊の記録も確認する必要があります。